インタビューinterview
「クリエイターと技術情報の交差点になりたい」
4年の時を経て復活した「GTMF」に込められた想い
2019年7月以来、開催を毎年見送っていた「Game Tools & Middleware Forum (以下、GTMF)」が、4年ぶりに開催されることとなった。GTMFはゲーム開発者、クリエイター向けの技術展示やソリューション、サービスが一堂に会すオフラインイベントで、初回開催は2003年と、これまでに16回開催されてきた、業界内では歴史もあるイベントだ。
新型コロナウイルスの影響とはいえ4年の休止期間を経て再び開催するのはどのような意図があるのだろうか?GTMF 運営委員長を務める及川 直昭氏を直撃した。
改めて、GTMF がどんなイベントなのか教えてください。
GTMF はエンジニアやクリエイターの皆さんをはじめ、ゲーム制作に携わる全ての人に向けて、開発向けの最新情報を提供するイベントです。ゲームエンジンやミドルウェア、様々なツールやソリューションを提供する各社が出展しています。
初めてGTMF が開催された2003年と現在では、ゲーム開発のスタイルも大きく変わっています。GTMF には、その時々のニーズをとらえた技術情報、展示がプラットフォームの垣根を超えて集まっており、来場者の皆さまには限られた展示会の時間の中で、幅広い情報に効率的に触れていただける内容になっています。
また、オフライン開催を旨としているGTMF には、開発者同士の交流を促進したい狙いもあります。コロナ禍において多くのイベントがオンラインで開催され便利になりましたが、情報交換や交流の観点では制限を感じてもいました。4年ぶりの開催に際しては、ここも大事にしたいと考えています。
今回4年ぶりに開催を決定した理由はどんなところにありますか?
2019年の開催以降、新型コロナウイルスの影響でGTMF もやむをえず開催を見送ってきました。そんな中でも、来場者の皆さま、出展企業の各社さまから開催を期待するお声は、毎年いただいていました。オンラインでもどうにか開催できないかと思案していましたが、先ほど申し上げたとおり、交流面での課題や、肝心の技術デモがオンラインでは伝わりにくいという課題がありました。
今年に入り、徐々にほかのオフラインイベントの復活開催も決まっていく中で、私としてもコロナ禍で開発者のみなさま、企業のみなさまとの交流を渇望していましたので、改めてこのタイミングで開催をしようと決めました。
今回の開催の見所や過去の開催とは違う点などはありますか?
開催の形式としては4年前と大きく変えてはいませんが、内容は大きく変わったと感じています。4年前に比べると出展社に新しい顔ぶれが増え、ネットワーク関連の技術展示も多くなりましたし、AI 関連の展示や講演もあります。
この変化を来場者の皆さまがどのように感じるのか、ワクワクしているほどです。
以前のGTMF に参加していただいた方も変わらぬ雰囲気を懐かしんでいただきつつ、展示やセッションの中で有益な情報を持って帰っていただければと思います。
GTMF がこの業界内でどのような役割を果たすことを期待していますか?
ゲーム制作に携わる人と、開発・制作のための技術情報が交わる「交差点」のような存在になれたらいいなと思います。
GTMF はさまざまな垣根を超え、ゲーム開発にまつわる情報をまんべんなく収集できる場として成り立ったという背景があります。ブースにはそのソリューションを開発したエンジニアがいて、直接デモンストレーションを受けたり、ちょっとした相談事もできたりする。きっと、すぐに業務に役立つ情報が得られると思いますし、さまざまな製品の話を深く聞ける貴重な機会になると思います。入場も無料です。
GTMF をきっかけに、技術情報がゲーム業界にいきわたる、そんなイベントを目指して今後も開催していきたいです。
この記事を読んでいる方や、GTMF への参加を迷っている方に向けてメッセージをお願いします。
GTMF に参加する大きなメリットの一つに、技術展示、デモンストレーションを直接体験できることがあります。実際に目で見て耳で聞いて手で感じることは、動画や文章から得られるものとはまた違った情報になると思います。
会場でしか聞くことができないセッションも多くありますし、各開催日の夜にはスポンサー、出展社、来場者などが多く参加する懇親会を実施します。貴重な交流の機会になればと考えていますので、ぜひ足を運んでいただきたいです。私も多くの方とお会いして、お話ができることを楽しみにしています。